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優しい学生がスパイダーマンなんかのヒーローに憧れて
「キックアス」と命名したコスプレヒーローになって街の悪人どもを退治しようとする。
いかにも映画が映画だった頃の夢を追うかのようなつくりは楽しい。
しかしながら、もともとそう強くないので
なかなか悪人をやっつけることはできない。(それで終るべきだ!)
ところが、強靭なヒーローのコスプレ少女と出会い、助けられる。
映画の世界(映画の世界の現実なのに)入った少女達は悪人をゴキブリのごとく殺しまくって最期は悪の親玉をやっつける。
でもなんだろう?随分不気味な映画だ。僕はこの映画は「映画が映画であるべき最期のアイデンティティー」を失ったような不快感をおぼえないでがいられなかった。映画とは最もモラルの必要な芸術なのだ。虚構の世界に憧れて(ガンガン人を殺し、正義と悪を具現化し)現実を虚構化してしまう夢(ゲーム的な快感)につぶされていないか?つくりが映画的で楽しかったし、少女が可愛かっただけに・・逆に寂しさを感じないでいられない。
単純にいえば、いくらヒーローに憧れても人が人を殺す正当性など絶対ないのだから・・。そんな究極の錯覚が実に不気味だし危険だと思う。
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